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ライオン・キング(2019)の話【ネタバレ?】

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実写版(?)ライオンキング、トイ・ストーリー4に比べてそれほど話題になっていないような気がします。ダンボ、アラジンの実写リメイクも今年やっていますし、流石に食傷気味でしょうか……私は全然苦になりませんけど(笑)。と言いますか、私の中でトイ・ストーリー シリーズに並ぶ大好きな作品なので、実写リメイクもめちゃくちゃ楽しみにしていました。 まず言及しなければいけないのが、実写版とまで銘打つ映像表現について。その名に恥じぬ素晴らしい映像は、冒頭のワンカット以外全てCGという前情報は持っていたとしても、実際のサバンナで動物と撮影したに違いないと思ってしまうほど。また、リアルな映像の中で違和感が出ないように演出・再構成されたミュージカルシーンもお見事。CG技術の成熟がこの映画を作らせたと言っても過言ではなく、それだけでこの作品を作る/観る意味があったと思います。 ですが、私の期待はちょっと別のところにありました。 冒頭でも書いた通り、ここ数年はディズニークラシックの実写化が盛んです。リメイクにあたって近代的な思想を取り入れたアップデートが行われている作品も多く、私個人としてはライオン・キングにもそういった何かを期待していました。 アニメ版から25年経った2019年の今、リメイクする意味をどこに置くのか という点です。 いざ蓋を開けてみれば、ストーリーに大きな改変は無かったように見えました。多くのメディアでもそのような報道がなされており、見たい人の感想も「大好きな作品がそのまま実写になっていて良かった」という"賛"の声と、「これならアニメを見ればよいのでは?」という"否"の声が半々といったところ。私としても、観た直後は両方の意見に頷くばかり。1週間ほど考えてようやく納得できる解釈が出来たのでブログにしている、というところです。 ここからはネタバレを含みます。 正直なところ、アニメ版は吹き替えで何度も見ていますが最後に見たのはだいぶ前。今回の実写版は字幕で1度しか見ていないこともあってうろ覚え。その上での考察になるので、話半分で、お手柔らかにお願いします(笑)。 小さな変更、大きなアップデート アニメ版でも実写版でも、父親の幻に導かれたシンバが自分の役割を認識し、故郷を救うために走り出すというプロットは...

(私と)トイ・ストーリー4の話【ネタバレ】

"トイ・ストーリー シリーズはおもちゃと子供を通して、 クリエイターと観客、作品と観客の関係性を描いた作品である" 何時、何処で聞いたのか忘れてしまいましたが、私の心に響き、今なお鳴り続けている言葉です。これを基本としてシリーズ全体を振り返りつつ、トイ・ストーリー4をどう観たか、まとめていおきたいと思います。ひたすらに長く、関係性に全振りした感想ですので、キャラクター一人一人の機微など作品の細かい部分は全く拾えておりません。もどかしい思いをされるかもしれませんが最後までお付き合いいただければ幸いです。 トイ・ストーリー/手段と目的 1995年に公開されたシリーズ1作目。ディズニーがリトル・マーメイド(1989)、美女と野獣(1991)、アラジン(1992)、ライオンキング(1994)、ポカホンタス(1995)と大ヒットを連発した、いわゆる「ディズニー・ルネサンス」の真っ只中に製作された本作は、初のフルCG長編アニメーションとして発表されました。 古いカーボーイ人形のウッディが、新参者の宇宙ヒーロー バス・ライトイヤーに"お気に入り"の座を奪われて対立し……という筋書きは、2000年代に凋落したディズニーの状況とも相まって、手書きアニメーションとCGアニメーションの関係を思わせます。しかし、物語は中盤、家の中から外へ飛び出したおもちゃ達は危機に直面し、紆余曲折を経て持ち主 アンディの元へ戻るために協力するわけですね。ここでの協力関係はまさにピクサーの立ち上げに尽力した二人、手書き畑のジョン・ラセターとCG畑のエドウィン・キャットマルのよう。 では、おもちゃ=クリエイターだとしたら、持ち主であるアンディは誰なのか。 それはやはり私達観客でしょう。観客から愛されることこそ作品とクリエイターの目的かつ幸福である、ということは容易に想像できると思います。かくしてアンディへの元へと戻ることが出来た彼らは、仲間たちと共に愛され続けるおもちゃになりました。それと同時に観客の"お気に入り"の作品となったのです。 トイ・ストーリー2/行く末 4年後の1999年に公開されたシリーズ2作目。 トイ・ストーリー2では、実はウッディは歴史的に価値のあるおもちゃで...

熱帯の話

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森見登美彦氏の新作、「熱帯」を読みました。森見先生の小説の中でもかなり捻った作品で、かつ森見先生の私生活にがっつり食い込んだお話なのでファン以外にどう映るのか不安でしたが、無事本屋大賞にノミネートされていましたね。 誰も最後まで読んだことが無いという1冊の小説 、の小説。それを聞けば「ハァ、不思議な本のお話なのね」と誰もが思います。しかし、これがなかなかトンデモナイ小説でした。 冒頭は森見登美彦氏の書くエッセイのテイで始まります。学生時代に古書店で見つけた一冊の本、謎めいた文章に心惹かれて大事に読んできたその本が、ある朝目を覚ますと枕元から消えてしまっていたそうです。新しく買いなおそうにもその「熱帯」という小説は、著者以外の一切が不明で、16年たった今も探し続けているのだといいます。そんな折、友人に何らかの謎を抱えた本を持ち寄って語り合うという、沈黙読書会なるものに誘われます。そこで出会った女性が大事そうに抱えていたその本は、彼が追い求めてきた「熱帯」その本だったのです。女性は「熱帯」にまつわる自身の体験を語り始め…… 「あぁこの"熱帯"は、この手元にある"熱帯"なのか」 ここで読者は気付くワケですね。 誰も最後まで読んだことが無い小説が、自分の目の前に開かれているということを。 読者も一緒になって小説の謎を追っていく―――かと思いきや、物語は中盤で急転直下、思いもよらぬ方向へ進みます。そこからは筆者の想像力の赴くままに話が進み、その中で小説を読むということ、小説を書くということ、小説とは、小説家とは……といった話を書きながら、ジャングルの中へ分け入っていくような底の見えない話が続くようになります。 ネットの感想を読んでいくと、前半と後半の雰囲気があまりに違うことで戸惑ってしまって、そこで振り落とされてしまった人が多いみたいですね。前半を書き終えたところでスランプに陥ってしまい本書の刊行にあたってその大風呂敷をようやく畳めたという経緯を私は知っていたため、森見先生らしい前半の勢いのある展開も楽しいのですが、筆者の苦悩がありありと見える後半こそが本書の見どころのように感じました。 そしてなんと言っても最後の仕掛けですよね。 私は果たして本当に熱帯を読み終えたのでしょうか。それともまだ熱帯...

スパイダーマン:スパイダーバースの話

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現在公開されている映画 スパイダーマン:スパイダーバースがめちゃくちゃ良かったというお話。 マーベルコミックスの多次元宇宙設定(一般に言うパラレルワールド)を活かして、作品の枠を超えて多くのスパイダーマンが集結して巨悪に立ち向かうコミック スパイダーバースシリーズを下地にした長編アニメ。アカデミー賞長編アニメーション部門を始め多くの映画賞を総ナメ、早くも今年ベストに推す声も多く今ノリに乗っている映画ですね。 主人公はブルックリンに住む黒人の高校生 マイルズ・モラレス。コミック アルティメット・スパイダーマン シリーズの2代目主人公という位置づけで、映画は彼が先代スパイダーマンの遺志を受け継ぎヒーローになるまでを描いています。悩みや葛藤を抱く従来のスパイダーマンを踏襲しながらも、他次元の先輩スパイダーマン達の元で薫陶を受けるという展開がポップで楽しく、今までに無い全く新しいスパイダーマン映画になっています。 まずはコミック表現を映像に落とし込んだことで話題になっている演出的な面。漫画の記号的な表現を取り入れたことをはじめ、各キャラクターごとに作画のタッチが違っていたり、全編で印刷のドットや版ズレやが再現されているなどかなり手間が掛かっていることが分かります。「コミックの質感を映画で表現するんだ」という情熱が伝わるようなクオリティで絶賛されるのも納得のデキ。 加えてアクションの作りがとても気持ち良く、もともとスパイダーマンは派手で見栄えのするアクションシーンを作り易そうではありますが、コミック/アニメ特有の色彩感がカッコ良さに拍車を掛けます。特に最後のサイケデリックなバトルシーンはアニメ映画でしか成しえない表現でサイコーにクールなので必見です。 ストーリー的なトコロでは、6人のスパイダーマン全員が活躍しながらも破綻の無い脚本を構成したバランス感覚がお見事。「1人のスパイダーマンの誕生譚・成長譚」と「沢山のスパイダーマンが登場するお祭り映画」がちゃんと両立されています。6人もの個性的なスパイダーマン達がおしゃべりするだけでも十分面白いのですが、単にクロスオーバー作品として引っ張ってきた以上の意味を持っているということです。それは主人公 モラレスの成長面のこともありますが、映画全体で発するメッセージにもノッてくるというのがアツいです...

シュガーラッシュ:オンラインの話(ディズニープリンセスの話)

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個人的に傑作だと思っているシュガーラッシュの続編を見てきました。原題はRalph breaks the Internet、今度はインターネットで大暴れだそうで。 内容については……やはり続編は難しい(笑)。 大きくて強い男の人に幸せにしてもらったと思われてる? それよりも、予告にも出ていたヴァネロペとプリンセス達が絡むシーン。ここ数年のディズニープリンセス事情を踏まえないと解釈が大きく違ってしまって良く分からないことになりかねません。というか既になっているようで。Twitterで言及している人もいるし、知恵袋でも幾つか質問されているを見かけました。 ちょっとその辺り、自分用の覚書用途を含めて書いておこうと思います。 予告と本編の違いを書くので、微塵のネタバレも許せないという人は読まない方が良いです。 ディズニープリンセスについてのおさらいと変遷 ここ数年、ディズニープリンセスは大きな転換期にあります。"プリンセス"という概念が変わってきていると言っても良いでしょう。過去にディズニーが作り上げたイメージを自ら変えようとしている、と言うのが話を複雑にしているところですが。 今回の映画に登場したプリンセスをおさらいすると以下の通り。 白雪姫(白雪姫/1937) シンデレラ(シンデレラ/1950) オーロラ姫(眠れる森の美女/1959) アリエル(リトル・マーメイド/1989) ベル(美女と野獣/1991) ジャスミン(アラジン/1992) ポカホンタス(ポカホンタス/1995) ムーラン(ムーラン/1998) ティアナ(プリンセスと魔法のキス/2009) ラプンツェル(塔の上のラプンツェル/2010) メリダ(メリダと恐ろしの森/2012) アナ(アナと雪の女王/2013) エルサ(アナと雪の女王/2013) モアナ(モアナと伝説の海/2016) 総勢14名。プリンセス像の変遷を語るにあたって良く見られるのは、3つの時代に区分する形です。 まずはプリンセス像の原点とも言える白雪姫、シンデレラ、オーロラ姫。彼女たちは基本的に王子様に幸せにしてもらうタイプのキャラクター。特に何をしたわけでもないのに気が付けば王子様と結婚し、「何時までも幸せに暮らしました」というお決まりのパターンへ。シンデレラス...

クロノス・ジョウンターの伝説 の話

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奥さんと話していて「クロノス・ジョウンターの伝説」をオススメしたので、このブログでもその話を。 以前に紹介したエマノンシリーズの作者 梶尾真治のタイムトラベルをテーマにした短編集で、クロノス・ジョウンターというのは作中に登場するタイムマシンの1つ。タイムトラベルものと言えばもはや1つのジャンルと言っても差し支えない程の数・量があると思いますが、数多くの作品に埋もれないユニークな点が本作にはあります。 「過去に跳ぶことは出来るけど、制限時間付きで、跳んだ時間以上に未来へと弾き飛ばされてしまう」 というアイディアです。 例えば、貴方が5年前にタイムトラベルしたとします。過去に滞在できるのは5分程度です。そして帰ってくるのは2018年の現在ではなく、2030年ごろになります。それでも貴方は時間旅行に挑戦するでしょうか? デメリットを理解した上でなおタイムトラベルを決行する登場人物たちは、愛する人を救うため、あの人にもう一度だけ会うため、クロノス・ジョウンターに乗り込みます。タイムトラベルものとしてはありきたりな理由がアイディア1つで物凄くドラマチックになりますし、これを書く梶尾先生がまた上手い。ジャンルとしては軽めのSFなのですが、物語としてはほとんどがラブストーリー。普通の恋愛とは比較にならないほど大きな障壁を乗り越えていく彼らを自然と応援してしまい、ハッピーエンドを願わずにはいられません。 妻と話したことを機に読み返し(それもだいぶ前ですけど)、この作品が一層好きになりました。自分が同じ状況に置かれたとき、タイムトラベルに挑むことが出来るかということを考えながら、是非。オススメです。 クロノス・ジョウンターの伝説 (徳間文庫) posted with ヨメレバ 梶尾 真治 徳間書店 2015-02-06 開発途中の物質過去射出機“クロノス・ジョウンター”には重大な欠陥があった。出発した日時に戻れず、未来へ弾き跳ばされてしまうのだ。それを知りつつも、人々は様々な想い―事故で死んだ大好きな女性を救いたい、憎んでいた亡き母の真実の姿を知りたい、難病で亡くなった初恋の人を助けたい―を抱え、乗り込んでいく。 Amazon Kindle 追記 作中の一編について、声優の下野さん主演で映画化が...

ペンギン・ハイウェイの話 その2

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たまに書く記事が箇条書きではブロガーの風上にも置けないので、ペンギン・ハイウェイの感想についてちゃんとした文章で書こうと思います。前振りみたいな記事も書いてしまったし。これでどうにか風下の方にでも置いて頂ければ幸いデス。予告以上のネタバレは無しデス。 イントロダクション(公式サイトより引用) 小学四年生のアオヤマ君は、一日一日、世界について学び、学んだことをノートに記録している男の子。利口な上、毎日努力を怠らず勉強するので、「きっと将来は偉い人間になるだろう」と自分でも思っている。そんなアオヤマ君にとって、何より興味深いのは、通っている歯科医院の“お姉さん”。気さくで胸が大きくて、自由奔放でどこかミス テリアス。アオヤマ君は、日々、お姉さんをめぐる研究も真面目に続けていた。 夏休みを翌月に控えたある日、アオヤマ君の住む郊外の街にペンギンが出現する。街の人たちが騒然とする中、海のない住宅地に突如現れ、そして消えたペンギンたちは、いったいどこから来てどこへ行ったのか……。謎を解くべく【ペンギン・ハイウェイ】の研究をはじめたアオヤマ君は、お姉さんがふいに投げたコーラの缶がペンギンに変身するのを目撃する。ポカンとするアオヤマ君に、笑顔のお姉さんが言った。 「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」 感想 まず個人的な期待と結果の話からすると、想像以上にしっかり映像化されていたのが嬉しかったです。と言うのも、お姉さん・海・ペンギン、3つの謎を同時進行で追いかけるお話で、更にどれもこれもフワフワとして筋が通らない謎ばかりなので、どうしても難しくなるだろうという想像をしていたんですね。加えて、小説から映画という器に移し替えるにあたって2時間弱に納めなくてはならないという尺の問題も避けては通れません。限られた時間で分かりやすく謎を解明していくという点においては、原作小説からの取捨選択がほぼ完ぺきと言っていいほど適切で、脚本を担当された上田誠さんには拍手喝采です。上田さんは「四畳半神話大系」、「夜は短し歩けよ乙女」など他の森見作品の映像化にも参加された方ですが、私個人としては「サマータイムマシン・ブルース」、「曲がれスプーン」の原作・脚本という印象が強いです。必要なシーンをテンポよく繋げていく手腕にも納得。 文章を読んで想像していたもの...

ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム の話

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ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム をプレイしました。思ったより短く、サクッとクリアできたので、サクッと感想を書きたいと思います。前作 ライフ イズ ストレンジ はプレイ済みです。 音楽とか演出がいちいちエモいのは前作と一緒 正直なところ、一本のゲームとしてみるとかなり厳しいと言わざるを得ません。フルプライスの割にはボリュームが少ない上(ローカライズは前作同様非常に丁寧なので価格相応と言えなくもないですが)、プレイヤーが介入できるポイントも少ない。そして、前作の主人公と違って時間を巻き戻すことは出来ず、代わりに与えられたのが口先で相手を言い負かす「バックトーク」というシステム。プレイヤーとして主人公のロールプレイをするのは確かに楽しいのですが、前作のシステムほど選択肢に深みが生まれずイマイチ……現実的ではありますが。前作の前日譚という都合上ストーリーの行き着くところが決まっている、というのもシステム的に枷になっていたように思います。選択肢による変化が分かりづらい上、若干不自然にメインのストーリーに引き戻される感もあります。ただ、前作もその辺は同じなのですが……描き方が上手かったのでしょうか? ズラズラと不満を並べましたが、前作のキャラ クロエを深掘りするゲームとしては結構良かったと思います。父親の死や親友の引っ越し、馴染めない高校生活と新しい友達、その辺とどう向き合っていたのかが丁寧に描かれていて、ファンディスクとしては申し分のない出来でしょう。個人的にはレイチェルとの関係が深まってクロエの中で大切なものになっていくシークエンス、そしてクロエと前作主人公のマックスの子供時代の話がなかなか良かったです。……それでもCGアニメとかで十分じゃないかという気はします。 ネット上で不満点として挙げられている、×決定/○キャンセルの海外仕様や、字幕が中途半端な位置で改行されるという点は、ワケあっての仕様と明言されているのでそこまで問題とは思いません。それよりもカメラの操作感の方がヤバいと思います。一応オプションで感度調整は出来ますが、前作では問題なかったのにどうしてこうなったという感が否めません。まぁ流石に数時間もすれば慣れますし、前作と開発元が違うというのは知っているんですけどネ。 今回、前作と抱き合わせで割引をしていたのでついついセットの...

うちのクラスの女子がヤバい、の話

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なんともミスリードなタイトルな気がしますけど、三十路のおじさんがトチ狂って言い出したわけではなく、そういうタイトルのマンガの話です。これがなかなか面白かったので、ご紹介したい。 何故か民衆を導く自由の女神のパロディとなっている書影 「クラスの男子(女子)がヤバい」なんていう話は、いつでも、どこの学校でも、どのクラスでも必ずありますよね。何をもってヤバいとするかは問題ではなく、他のクラスの友達に話を振って「ヤバくない?」「ヤバいヤバい!」と共感を得るための枕詞。バカすぎ、うるさすぎ、アホすぎ、エロすぎ、エトセトラ。大抵そういった他愛のない話ですが、その言葉をタイトルに引っ張るこのマンガに登場する1年1組の女子達は、確かにヤバい。 なんと、全員が超能力者なのです。 ただ、その超能力がとっても微妙なものばかりで。 思春期性女子突発型多様可塑的無用念力、略して"無用力"。思春期の女の子に突然発生し、そのうち消えてしまう役に立たない超能力、といったところでしょうか。心拍数が上がると物が強制的に透けて見えてしまう(内臓まで 笑)とか、テンパると大音量のモスキート音を発してしまうとか。そういったヘンテコで残念な超能力が身に備わってしまった女子達を集めたクラス、というワケですね。なので男子は普通です。 超能力を持った人たちが集められたクラスというと、マンガでは割とありがちな設定ですよね。それでバトルが始まったりするわけですが、当然ただただ役に立たない超能力、いや"無用力"を持った彼女たちですのでそんな展開にはなりません。普通に学校生活を送り、普通に青春します、それだけです。そう、このマンガは残念な超能力女子が集められたクラスを舞台にしたラブコメマンガなのです。 なんで思春期の女子だけがそういった残念超能力を持つか、というところには特に言及が無く、そういうものだからという感じです。そういう世界なのだからしょうがないでしょう、という、好きなんですよねそういう割り切った設定とか。なんとなく市川春子や九井諒子の短編漫画っぽさを感じます。3巻完結で読みやすいのもオススメポイントです。出来ることならばもっともっとこの世界観のお話を読みたいところですが、シメも綺麗だったのでしょうがないということにしまし...

ポケモンクエストの話

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突然ですが、私は初代ポケットモンスターが発売されたころ小学生でした。つまり、ばっちり流行っていた世代です。その後のシリーズもそれなりにプレイしてはいますが、やはり初代である赤・緑・青・ピカチュウ、そしてその続編である金・銀・クリスタルに思い入れがあります。そして先日、ピカチュウバージョンをベースにした最新作が11月に登場するという情報が解禁されました!初代の舞台であるカントー地方が最新のグラフィックで表現されるということに、年甲斐もなく興奮しちゃっています。 そんな最新作の情報に沸くさなか、ひっそりと配信が始まっていた「ポケモンクエスト」がなかなか楽しいので、その話をしたいと思います。 詳細は貼り付けた紹介動画を見ていただくとして……めっちゃ可愛くないですか!? 初代のポケモンオンリーというだけでもどストライク(虫ポケモンではない)な内容なのに、"ボクセル"で表現された彼らの可愛らしいこと可愛らしいこと。公式のゲームジャンルは「わちゃわちゃ探検RPG」となっていますが、その名に違わぬわちゃわちゃっぷりが見ていて笑ってしまうほど。妻と二人で癒されています。 ちなみにボクセルとは volume と pixel を足した造語でWikipediaを見るとなかなか難しい表現が並んでいますが、要は立方体のブロックを基本として表現される空間のことですね。ゲームジャンルとしてはマインクラフト、いわゆるマイクラが代名詞的な存在です。というか、もはやマイクラ風という言葉に置き換えられてしまっていると言っても過言ではなさそう。 思いっきり話が逸れますが、私とボクセルの出会いはPS3のアクションRPG 3DドットゲームヒーローズというゲームのPVだったと思います。このゲーム、レトロゲームをモチーフとしながらもボクセルで表現されていて、倒した敵が爆発四散するのですが、PS3の演算能力をフルに使って散らばるボクセルが綺麗でアホらしくて印象的でした。次世代のゲーム機はこんな表現も出来るのかと驚いた記憶が……と思って調べましたが、PS3と3Dドットゲームヒーローズは結構発売日が離れてますね。もっともっと次世代機の表現力に驚くことのできたソフトがあったと思うのですが(笑)。 ポケモンクエスト自体は、ゲームとしてはかなり単純です。強...

グラスホッパーとマリアビートルの話

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すべてがFになるを読んだせいか頭がどうも小説モードになっているようで、伊坂幸太郎の2作を一気に読みました。例にもれずKindleセールで買って4年ほど積んでいたものになります。何故そんなに放っておいたのかと責められるかもしれませんが、私としてはむしろ4年前に買った本をちゃんと読んでいることを誉めて欲しいと思います。 まぁ結論から言えば、読みやすいケドあまり好きではない作品でした。 多数の殺し屋が登場する群像劇であり、殺し屋シリーズと呼ばれる2作品。昨年にはめでたく3作目が登場するなど、伊坂幸太郎の作品群の中でも人気のシリーズのようです。私は続編の方から読んでしまいましたが、登場人物が多少被っているというだけでストーリー的な繋がりはそれほど無い模様。 初めての伊坂作品だったので色々とレビューを漁ってみたのですが、伊坂ファンの中でも賛否の分かれる作品達のようですね。伊坂作品オススメランキングみたいな記事を読んでも上の方にいたり、下の方にいたり。ただ、低評価のレビューに散見される「リアリティに乏しい」という批判はナンセンスだと思います。作品のリアリティのラインは作家が自由に決めて良いものですし。 2作品とも複数の視点から1つの事件、シチュエーションを描くという点においては上手く構成されていて、物語後半でそれぞれが交錯する点は読んでいて確かに爽快感がありました。が、"交錯"と書いたように"収束"するわけではなく、あくまでそれぞれの結末を描いていて、しかも殺し屋という性質上その結末が"死"であることが多く、カタルシスを得にくい構造というのがイマイチかなと思います。その辺りはマリアビートルの方が意識されていたのかなとは思いますが、いかんせん……。別にハッピーエンドにこだわるわけではありませんが、物語を通して登場人物には何らかの("死"以外の)変化が欲しいところです。 加えて、キャラクター各々目的が違うため当然思い描く結末も違い、事件が至るべき結末(解決)が明示されないまま話が進んでいくというのも、最終的に示された結末をすんなりと受け入れづらい構成だったかなと思います。事件に登場人物(と読者)が振り回されてドタバタしているところで「ここが終点です」と急に幕を引かれる、そんな...

すべてがFになるの話

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レイジングループのプレイ時間が60時間を超えました。これでようやくエクストラコンテンツも半分ほど消化したことになるのでしょうか。1週目に見たところもざっと流し読みしているので、スキップで短くなった分と追加で増えている分がトントンになっているような気がします。正直ノベルゲームなんて10~15時間ぐらいだろうと思っていたので、5倍近くかかっていることになります。どう考えても時間かけすぎです。まぁ無駄に過ごしているというわけでは無いので、良いんですケド。 そんなゲームの合間を縫って、もはや古典に片足を突っ込んでいるであろう森博嗣のデビュー作、1996年のミステリー小説「すべてがFになる」を読んでおりました。ノベルゲームの合間に小説を読むという文章漬けの日々、これがリア充か。これも確かKindleセールで100円とかで買って、1年ほど寝かせていた本になります。デジタル積読ってやつですね。また何をいまさらという感想になるかもしれませんが、書かせてください。 孤島の研究所で起きた密室殺人事件を取り扱うというミステリーもの。読んでから知りましたが、2人の主人公たちが活躍するシリーズ物の1作目、今までに計10冊刊行されているらしいですね。Amazonの商品説明にはもっと詳細なあらすじが書いてありますが、何も知らないで読んだほうが楽しいかと思います。 驚くのは1996年に登場した小説であるにもかかわらず、小説に登場するテクノロジーやガジェット、それに付属する概念が今でも普通に通用するという点です。私としては、この手の話をするときに1989年の漫画作品 攻殻機動隊や、それが影響を受けたニューロマンサー辺りのSF小説群の先見性を避けては通れないかと思っていますが、それらはあくまでSF作品。理系ミステリーの元祖とも呼ばれる本作ですが、ミステリーという分野で現代に通ずる技術レベルを織り込むというのは確かに衝撃的だったのだろうと思います。反面、当時の読者が正しく理解できたのか、ちょっと疑問です。プログラム用語からロボット、AI、VRまで登場し、それらが現実となった今現在でも疎い人には若干難しい内容かもしれません。 テクノロジーへの先見性には驚きつつも、さて、一冊の小説として面白かったのかと考えると……ちょっと評価が難しいというのが本音です。密室殺人のトリックや伏線とタイト...

レイジングループの話

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GW後半からレイジングループというアドベンチャーゲームをやっていました。もともとがスマホゲーという生い立ちと、3,000円という低価格から最初は全然期待してなかったというのが正直なところ。それが妻と2人であーでもないこーでもないと言いながら読み進めるうちにどっぷりハマり込んでしまい、寝る時間を惜しんで、食事中も読み進めるほど熱中してしまいました。というか、現在進行形でクリア後のエキストラコンテンツにハマっております。家事と翌日の仕事を放り投げたい衝動を抑える毎日です。 レイジングループは「汝は人狼なりや?」という、いわゆる"人狼ゲーム"を題材にしたアドベンチャーゲーム。今ではノベルゲームという方が一般的でしょうか? 人狼ゲームについては一時期TV番組になるほど流行っていたので知っている人も多いかもしれません。ざっくり言えば、村人と人狼とに割り振られた参加者同士で会話をしながらお互いの身分を推理し、相手陣営を皆殺しにした方が勝利するというテーブルゲームですね。詳しい説明をしようと思うとなかなか複雑な上、様々なローカルルールがあるようなので Wikipedia を参照してください。タイトル的にはRaging(荒れ狂う)+Loup(仏語で狼)といった感じ。 そしてこのゲームはいわゆるループものです。主人公は人狼ゲームを現実として行う猟奇的な村に迷い込んでしまい、殺されるたびに村に迷い込む場面に巻き戻ってしまうという、なんとも奇妙な現象に巻き込まれてしまいます。これは後述しますが、この設定がゲームのシステム的にもシナリオ的にも重要な、要になっていて素晴らしかったです。Raising(蘇る)+Loop(環)でダブルミーニングですね。 さて、このゲームの良さはなんと言っても舞台設定とシナリオにあります。人狼ゲームを古くからの因習として殺し合いをしてきた村、という前提条件からしてかなり苦しい設定ですが、伝承やしきたり、土着信仰、宗教、オカルトまで交えて違和感なく仕上がっているのが素晴らしい。そして、シナリオの良さはプレイ前から噂に聞いてはいましたが、完全にこちらの予想を超えてくるのがとっても楽しい。思わず声が出てしまうようなシーンが何か所もアリ、そう来たかと唸ってしまう展開もしばしば。とにかく伏線の配置・回収が素晴らしいので、これは読んでみてと...

レディ・プレイヤー1の話

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オタクの、オタクによる、オタクのための映画―――と評されるレディ・プレイヤー1を見てきました。 スティーブン・スピルバーグ監督最新作である本作は、ネット上のVRゲーム空間"オアシス"に隠されたイースターエッグ=製作者のお遊び要素をめぐって繰り広げられるアクションアドベンチャー。隠された3つのゲームを制覇したプレイヤーには56兆円の遺産とオアシスの運営権を与える―――制作者が死に際に放った一言は、人々をVR空間の海へと駆り立てた。世はまさに、的な。いざ、私たちもスクリーンを超えてゲームの世界へ。 READY ▶ PRAYER 1   PRAYER 2 まず、今回3Dで見てきたんですが、これがメチャクチャ良かったです。映画の大半がVR空間=CGであるオアシスで展開するということもあり、3Dとの相性は抜群!特に映画冒頭のオアシスへの接続シーンで本当にスクリーンという障壁を超えてゲームに入っていくような没入感が最高!監督がYouTubeの特別映像で明かしている通り、没入感を高めるべく現実世界とVR空間の3D設計が異なる作りになっていて、久しぶりに3Dで見た価値があったと確信できる作品でした。 この映画を語る上で外せないのは、やっぱり版権の部分でしょうか。映画、音楽、ゲーム。かつてこの世の全てのオタクコンテンツを手に入れた版権王―――というわけではありませんが、巨匠スティーブン・スピルバーグの力なくしては実現不可能だったと確信できるほど様々なコンテンツへのパロディやオマージュが散りばめられているのは、予告や広告でも散々喧伝されているところです。アベンジャーズのようにマーベル・ヒーローたちが共闘するだけでもドリーム・チームと言われる映画ビジネスの世界で、(予告や公式サイトで既出の情報なので書いちゃいますけど)登場人物がデロリアンやAKIRAの金田バイクを乗り回し、ストリートファイターやオーバーウォッチのキャラクター達が闊歩し、キングコングやティラノサウルスが暴れまわり、メカゴジラとガンダムが並び立つ、そんなハリウッドムービー!監督はスピルバーグ!……いやいや嘘でしょ、と数年前の私なら間違いなく斬って捨てるような話ですが、実現してしまったのが今作。オタクための映画と言われる所以の一つでもあります。 ...

シティーズ:スカイライン PlayStation®4 Editionの話

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先日PS4で発売された都市開発シミュレーションゲーム、シティーズ:スカイラインを遊んでいます。 2013年発売のシムシティが他都市との接続をウリにしたサーバー接続必須という設計でバッシングを受けた少し後、彗星のごとく現れたシムシティシリーズの正統後継者との呼び声高い都市開発シミュ、の家庭用ゲーム機版。話が脱線しますが、2013年のシムシティは私もちょっと触ってみたことがあります。グラフィックやUIの進化っぷり、音楽の変わらない安定感には感心したものの、街を作ることの出来る範囲の狭さにしょんぼりした記憶。小さい街を複数作って接続して遊んでほしいという設計……というのは理解出来てもやっぱり作りたくなっちゃいますよね、大都市。結局過去シリーズのような大都市を作らせろ!というプレイヤーの声は絶えることなく、開発元のマクシスはあえなく閉鎖と相成りました。 そこで交通シミュレーションゲームを作っていたフィンランドのゲームスタジオが、俺たちが理想の都市開発シミュを作っちゃるで!と(言ったかどうかは分かりませんが)制作したのが本作になります。 正直な話、都市開発シミュレーションとしての基本の部分はほぼシムシティと言っても過言ではないぐらいに同じです。シリーズ経験者ならお分かりかと思いますが、最初に道路を引き区画を設定し、発電所を立てて水道を整備、需要メーターを見ながら道路や区画を拡張し、町が大きくなってきたら消防や警察、病院、小学校といった公共サービスを充実させていきます。……全く同じですよね。建物が出来る際に足場が組まれ、にょきにょきと生えてくるあの表現までコピーされている徹底ぶりです。 どうも交通網のシミュレーションに差があるようですが、シリーズを追いかけているプレイヤーというワケでもないので細かい部分は良く分からず……私は今のところ似たような感覚で遊んでいます。PCからPS4の移植ですが、操作系はうまいこと作られていると思います。 このゲーム、人口が増えてくると街のいたるところで渋滞が発生します。通勤や工場への原料搬入、商店への商品出荷や買い物客などが原因です。渋滞で車の流れがストップするということになれば、商店や工場は職員が出勤してこないので潰れ、工場は原料が来ないので商品が作れず潰れ、商店は商品も買い物客も来なくなるので潰れる...

ウエストワールドの話

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ウエストワールドのシーズン1を見ました。西部劇かつSFというなかなか攻めた作品ですが、大変面白かったです。 個人的に西部劇には牧歌的で楽しげなイメージがあったんですよ。原因はハッキリしてまして、間違いなくバック・トゥ・ザ・フューチャー PARTⅢと、東京ディズニーランドのウエスタンランドのせいです。昔USJでやっていたザ・ワイルド・ワイルド・ワイルド・ウエスト・スタント・ショー(西部劇を題材にしたステージショー、パフォーマーが実際にド派手なスタントを見せてくれる、2005年1月まで)も大好きでした。 えー、ウエストワールドはそんな明るく陽気な雰囲気とは真逆です。 緻密に再現された開拓時代の西部を舞台に、欲望の赴くままに遊ぶことが出来るテーマパーク"ウエストワールド"。変わり者の老人から受け取った地図を基に宝物探しに興じるも良し、殺人鬼として町ゆく人を撃ち殺すも良し、そんな無法者を取りしまる保安官を演じるのも良し。傷害OK、窃盗OK、レイプOK、殺人?もちろんOKのワイルドウエストの世界にゲストをご招待。 来園者同士で殺し合いをしていてはテーマパークとして成り立ちませんので、ゲストの生々しい欲望を一手に引き受けるホストと呼ばれるアンドロイドたちがいます。人間と見分けることが出来ないほど精巧に作られた彼らは、シナリオ通りの日々を過ごし、ゲストに"破壊"されるたびに記憶をリセットされる不憫な存在。ところがあるアップデートを境に彼らのプログラムに不具合が……というお話です。 まず、西部劇とSFを結びつけるテーマパークというアイディアが良いですよね。実は基になった同名の映画があり、そちらは結局暴走するアンドロイドから逃げ惑うパニックホラー的な映画らしいのですが、今回見たドラマ版はしっかりとSFらしい作りになっていて良かったです。SF作品でお馴染みの「どこまでがアンドロイドでどこからが人間か」というテーマももちろん出てきます。 そういった既存のアイディアを借りつつも、登場人物の謎、そして作られた世界に秘められた謎が徐々に明かされていくストーリーの展開が良いです。ただ、ドラマと聞いて想像する以上に脚本が複雑で、正直日本では視聴者置いてきぼりなレベルじゃないかと思います。私も視聴後にいくつかの考察サイトを見て、...

毒見師イレーナの話

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そういえば、遂にゼルダの伝説BOTWをクリアしました。1月2週目あたりから始め、総プレイ時間は100時間超!長い時間を費やしましたがそれに見合った満足感もありました。ちなみに、ネットで見かける平均的なプレイ時間よりは多少多めですかね。2週目をプレイするような猛者もいるようですが、流石にそんな元気と時間はないです。DLCも購入するつもりでしたが、流石にちょっと時間をあけてからにしようと思います。 で、空いた時間でKindleセールで買っていたファンタジー小説「毒見師イレーナ」を読みました。 書影はなんだかラノベ風ですが、中身は割と硬派なファンタジー 19歳の死刑囚 イレーナが、 死刑直前に「絞首台へ進むか、一生辞めることの出来ない毒見役として生きていくか」を迫られるという話 です。死刑を受け入れてしまってはそこでお話が終わってしまうので――彼女としてはそんな軽薄な理由では決してありませんが(笑)、彼女は"国の最高司令官の毒見役"という立場で生きていく決断をします。死と隣り合わせの日々を懸命に生き抜く彼女に、忍び寄る魔の手が……というストーリー。 まず、"毒見役"にならざるを得ないという主人公の置かれたシチュエーションが良いですよね。スケールの大きな話の中で主人公を中心に置こうとするとどうしても特別な素質や出自を求められがちですが(生き残った男の子――とかね)、そういったものと無縁でも自然な流れで中心に近しいポジションに置ける"毒見役"という職業。これはアイディアの勝利だと思います。ちなみに実際の歴史の中でも、奴隷や死刑囚にその役があてられることが多かったようです。 そして、死と隣り合わせの日々を生きていくことになった主人公のイレーナですが、どんな逆境にも諦めずに立ち向かっていく強いヒロイン――というワケではありません。持ち前の冷静さと意志の強さで様々な問題を乗り越えていきますが、その一方で不利な状況に陥るとすぐ弱気になったりする、19歳の少女らしい強いとも弱いとも言い切れないキャラクターで、それがまたこの物語の魅力です。著者も彼女の心情と成長についてはとても丁寧に描写しているように思えます。その一方で、周りを彩る人物は行動で示すのみで自分を語らないキャラクターが多く、イレーナが...

「シン・ゴジラ」、私はこう読む の話

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「シン・ゴジラ」、私はこう読む というタイトルの電子書籍についてのお話。 エヴァンゲリオンシリーズの庵野秀明監督が作り上げた新しいゴジラ像に日本中が熱狂し(そのすぐ後に、君の名は。に潰され)、映画に対する様々な考察・議論・論争を巻き起こしたのは2016年7月。私も映画館へ足を運び、邦画が残念なこのご時世にトンデモナイ映画を作ったもんだ!と何処から目線なのか分からない賞賛を送っておりました。 様々な方面で議論が巻き起こったのは、今まで邦画が避けてきた"社会を描く"という部分で真正面から勝負している、という点が大きく影響したと私は思います。なおかつエンターテイメント作品としても一級品というところが評価された。劇中に「この国はまだやれる」というセリフがありましたが、「邦画もまだやれる」と鑑賞後に思ったものです。 そんなシン・ゴジラを専門家はどう見たのか。 本書は日経ビジネスオンラインで当時連載されていたシン・ゴジラ評を集めたのものです。執筆者は各界のエキスパートがそろっており、一般人にはとても書けないような非常に、非っ常に濃い内容になってます。冒頭から元防衛大臣の石破茂、3.11の時の内閣官房長官 枝野幸男が登場し、作中での自衛隊の在り方や非常時対応について語っており、ここだけでも読む価値アリ!と言っても過言ではありません。 印象に残ったのは、コラムニストの小田嶋隆氏の「シン・ゴジラはおよそ多様な見方を許す映画で、この"簡単に要約できないディティールの豊富さ"こそが、この作品を特別な映画にしているのだと思う。」という部分。"ディティールの豊富さ"が世界/物語を広げるのであって、映画に関わらず創作物はすべからく細部にこだわるべきだと、私は常々思っていたので、スッと入ってきて納得する一文でした。 25万字、文庫になれば900ページ超という物量にまだ最後まで読み切れていないのですが、本書の持つ熱量にあてられて記事にしてしまいました。300円+税でこの内容が読めるというのは、電子書籍のみの発刊とはいえちょっとおかしいレベルですね。シン・ゴジラを見た人は必携。もう一度、映画を見たくなること請け合いです。 「シン・ゴジラ」、私はこう読む[Kindle版] posted wit...

Mini Metroの話

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今度出張で名古屋と大阪行きます。私、普段あまり電車って使わないんですよね。地方在住なので基本は自動車。遠出をする時に、年に数回といったところでしょうか。日常的に利用する人からすれば何を言っているんだコイツという感じでしょうが、私にとっては非日常を感じてワクワクする乗り物だったりします。自分の行動範囲の限界を押し広げて、見知らぬ土地へ連れて行ってくれる乗り物……まぁ名古屋と大阪なのでそんな遠出でもないですし、割と見知った土地なんですケド。 移動時間=自由時間というのも電車の魅力ですよね。せっかくなので電車のゲームをしよう、ということでセールをしていたMini Metroを買ってみました。 Mini Metroはマップに出現する○△□の駅を線路で繋ぎ、乗客を移動させるというシンプルなゲームです。1つの駅に乗客が溜まりすぎるとカウントダウンが始まり、溢れてしまうとゲームオーバー。これがなかなかどうして奥が深い。 自由に線路を引けば良いかというとそういうワケではなく、引ける路線の数、乗客を載せることが出来る車両の数、河川を超えるためのトンネル/橋の数が制限されているので、その辺で上手い具合にバランスを取る必要があります。これらはゲーム内の時間と共に増えていくものの、どれを増やすかは選択式でプレイヤーの手にゆだねられているというのもポイント。路線を増やさず線路を延ばしすぎると、電車が来る間隔が長くなり駅に乗客が溜まってしまうし、電車の本数を増やして解消しようとすれば、川向こうに駅が発生してトンネル不足が生じる等……あっちを立てればこっちが立たず的な状況に陥りやすいのです。 このマップは中洲に□の駅が配置されています、トンネルが必須になるためとてもやっかい 今見ると、オレンジの路線を延ばしすぎですね 幸い線路の引き直しは可能なので、駅が出現する度に効率的なネットワークを模索するのがこのゲームの楽しみ方です。この駅を乗り換えのハブにして、この路線は止まる駅を減らして特急にして、ここは環状線にして内回りと外回り……とか考えていると、現実の交通システムがもの凄いバランスの上で成り立っているということに気づきます。プレイ後には確実に実際の路線図を見る目が変わるハズです。 そしてこのゲーム、UIが美しい。既にゲーム画面を見て頂いたので、...

リメンバー・ミーの話

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1か月ほど空いてしまいましたが、私は元気です。公開から1週間が経ちあまり話題にされていないように感じますが、個人的には素晴らしかったので書かせてください。ピクサー最新作「リメンバー・ミー(原題:coco)」の話です。公開日が金曜だったので、仕事帰りに見てきました。 基本的にネタバレは無しで。その代わりと言ってはなんですが、過去のディズニー/ピクサー作品は見ている前提です。 ピクサーらしい作品 ピクサーらしい作品と言われて思い浮かべる要素と言えば何でしょうか?トイ・ストーリー、モンスターズ・インク、ファインディング・ニモ、カーズ……これらの作品の共通点。さぁみんなで考えよう。私個人としては以下の3つですかね。 イマジネーション ビジュアル ルール 架空の世界を作り上げる想像力、説得力を与えるビジュアル、物語の推進力となるルール設定。これらがバランスよく(非常に高いレベルで)まとまっているのがピクサー作品の特徴だと思います。 私たちの見ていないところでオモチャたちが自由に動き回る世界観、オモチャらしい質感や動きのクオリティの高さ、人間に見られてはいけない・元居た場所に戻らなくてはならないというルール……他のピクサー作品についても、これら三つの要素は必ず見つけることが出来るはず。 (もっとも、クリエイターを融通しあうようになったここ数年のディズニー作品にも同じようなことが言えるかな……もはやディズニー/ピクサーを区別して語る必要は無いのかも。) リメンバー・ミーでもその三要素は健在で、予告映像でもその片鱗は感じることが出来るんじゃないでしょうか。主人公が迷い込む"死者の国"というのは特別新しいアイディアではありませんが、メキシコの伝統的なお祭り"死者の日"をモチーフにした明るく陽気な雰囲気と美しいビジュアルがとっても印象的。そして物語を転がすルール……これは詳しく書くとネタバレになってしまうので伏せますが、これもとても秀逸です。いかにもピクサーらしい作品に仕上がっているように思えます。 とは言え、本作はピクサー作品のテンプレートに則っただけの作品ではありません。 その上でディズニーらしい作品 リメンバー・ミーはピクサーの文法だけで出来ている訳ではありません。というのも、今作はかなり近年のディズニーらしい作品とな...