うちのクラスの女子がヤバい、の話

なんともミスリードなタイトルな気がしますけど、三十路のおじさんがトチ狂って言い出したわけではなく、そういうタイトルのマンガの話です。これがなかなか面白かったので、ご紹介したい。

何故か民衆を導く自由の女神のパロディとなっている書影

「クラスの男子(女子)がヤバい」なんていう話は、いつでも、どこの学校でも、どのクラスでも必ずありますよね。何をもってヤバいとするかは問題ではなく、他のクラスの友達に話を振って「ヤバくない?」「ヤバいヤバい!」と共感を得るための枕詞。バカすぎ、うるさすぎ、アホすぎ、エロすぎ、エトセトラ。大抵そういった他愛のない話ですが、その言葉をタイトルに引っ張るこのマンガに登場する1年1組の女子達は、確かにヤバい。

なんと、全員が超能力者なのです。

ただ、その超能力がとっても微妙なものばかりで。

思春期性女子突発型多様可塑的無用念力、略して"無用力"。思春期の女の子に突然発生し、そのうち消えてしまう役に立たない超能力、といったところでしょうか。心拍数が上がると物が強制的に透けて見えてしまう(内臓まで 笑)とか、テンパると大音量のモスキート音を発してしまうとか。そういったヘンテコで残念な超能力が身に備わってしまった女子達を集めたクラス、というワケですね。なので男子は普通です。

超能力を持った人たちが集められたクラスというと、マンガでは割とありがちな設定ですよね。それでバトルが始まったりするわけですが、当然ただただ役に立たない超能力、いや"無用力"を持った彼女たちですのでそんな展開にはなりません。普通に学校生活を送り、普通に青春します、それだけです。そう、このマンガは残念な超能力女子が集められたクラスを舞台にしたラブコメマンガなのです。

なんで思春期の女子だけがそういった残念超能力を持つか、というところには特に言及が無く、そういうものだからという感じです。そういう世界なのだからしょうがないでしょう、という、好きなんですよねそういう割り切った設定とか。なんとなく市川春子や九井諒子の短編漫画っぽさを感じます。3巻完結で読みやすいのもオススメポイントです。出来ることならばもっともっとこの世界観のお話を読みたいところですが、シメも綺麗だったのでしょうがないということにしましょう。

作者の衿沢世衣子さんは聞いたこと無い名前だったんですけど、これを機に他の作品も読んでみたくなりました。Wikipediaを見ると短編モノが多いみたいです。また読んだら書くかもしれません。


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