レイジングループの話

GW後半からレイジングループというアドベンチャーゲームをやっていました。もともとがスマホゲーという生い立ちと、3,000円という低価格から最初は全然期待してなかったというのが正直なところ。それが妻と2人であーでもないこーでもないと言いながら読み進めるうちにどっぷりハマり込んでしまい、寝る時間を惜しんで、食事中も読み進めるほど熱中してしまいました。というか、現在進行形でクリア後のエキストラコンテンツにハマっております。家事と翌日の仕事を放り投げたい衝動を抑える毎日です。


レイジングループは「汝は人狼なりや?」という、いわゆる"人狼ゲーム"を題材にしたアドベンチャーゲーム。今ではノベルゲームという方が一般的でしょうか? 人狼ゲームについては一時期TV番組になるほど流行っていたので知っている人も多いかもしれません。ざっくり言えば、村人と人狼とに割り振られた参加者同士で会話をしながらお互いの身分を推理し、相手陣営を皆殺しにした方が勝利するというテーブルゲームですね。詳しい説明をしようと思うとなかなか複雑な上、様々なローカルルールがあるようなのでWikipediaを参照してください。タイトル的にはRaging(荒れ狂う)+Loup(仏語で狼)といった感じ。

そしてこのゲームはいわゆるループものです。主人公は人狼ゲームを現実として行う猟奇的な村に迷い込んでしまい、殺されるたびに村に迷い込む場面に巻き戻ってしまうという、なんとも奇妙な現象に巻き込まれてしまいます。これは後述しますが、この設定がゲームのシステム的にもシナリオ的にも重要な、要になっていて素晴らしかったです。Raising(蘇る)+Loop(環)でダブルミーニングですね。


さて、このゲームの良さはなんと言っても舞台設定とシナリオにあります。人狼ゲームを古くからの因習として殺し合いをしてきた村、という前提条件からしてかなり苦しい設定ですが、伝承やしきたり、土着信仰、宗教、オカルトまで交えて違和感なく仕上がっているのが素晴らしい。そして、シナリオの良さはプレイ前から噂に聞いてはいましたが、完全にこちらの予想を超えてくるのがとっても楽しい。思わず声が出てしまうようなシーンが何か所もアリ、そう来たかと唸ってしまう展開もしばしば。とにかく伏線の配置・回収が素晴らしいので、これは読んでみてとしか言えないのが辛いところです。

そして"ループ"についてですが、シナリオ的にもゲームシステム的にも非常に効果的。例えば、全く知識を持たない人がいきなり人狼ゲームに放り込まれたとしても、複雑なルールやセオリーを把握する前に死んでしまうのが関の山じゃないでしょうか。その点このゲームでは最初のルートで主人公は人狼ゲームに参加できず、実質のチュートリアルをプレイヤーと同じ客観的な視点から見るというシナリオになっています。ここに不自然さが全く無く、すんなり受け入れられるような形になっているのが非常に上手い。ループによるルート分岐によって全ての登場人物に何らかの役割が与えられている点や、"死に戻り"を何度も経験していく中で忌まわしき風習にも馴染んでいってしまうというのもループものならではで良かったと思います。

システム的な点では、主人公は"死に戻り"を利用して試行錯誤する「あっちがダメだったからこっちにしてみよう」という考えを持つに至るわけですが……これってセーブ&ロードですよね? ゲーマーあるあるな攻略法がシステムの一環として組み込まれているというのがノベルゲームとして面白いと思います(他のノベルゲームをあまりやったことが無いので何とも言えませんが)。死にルートで得た情報を攻略に使うというのは人狼ゲームとしてはかなりのチートですが、ここでも主人公とプレイヤーの目線が揃えられているということになりますね。ちなみに、そんなシステムを使っても人狼ゲームが簡単になるということは全くないのでご安心を。


一応イマイチな点も挙げておきますと、"死に戻り"という特性を使ってルートを潰していくというシステム上実質1本道のシナリオになっていしまっているということがありまして、ゲームとして面白さを求めてしまうと肩透かしをくらうかもしれません。シナリオの良いサウンドノベルとして楽しむのが良いかも。あと何故かボイスの音量が不安定な部分があったりします。色んな所で言われている声優のクオリティの低さについては、個人的にはそこまで気にならないと思います。

今回switch版をプレイしてますが、フルボイス化というのは良し悪しですね。セリフがあることで細かいニュアンスが明らかになることはありますが、プレイ時間がとても長くなる。結局クリア時点で40時間弱はかかっていると思います。そこからエクストラコンテンツですので……まさかノベルゲームでここまで時間を使うとは思ってもみませんでした。というかどう考えても3,000円のボリュームじゃあありません。switch版で特に良かったのはジョイコンの右手だけで全ての操作ができてしまうという部分ですね。楽でいいです。


レイジングループはiOS、android、PS4、PS Vita、switch、Steamとほとんどのプラットフォームで発売されております。スマホ版は全体の5分の1ほど無料でプレイできるので、興味を持たれた方はダウンロードしてみるのも良いかもしれません。各機種の違いについては有志の方のツイートが大変分かりやすいので引用しておきますね。



長くなりましたが、レイジングループ、とっても面白いのでオススメです。ノベルゲームが楽しいということが分かったので、今後は他のタイトルもちょっと気にしてみようかしら。


レイジングループ完全読本という公式ガイドブックも買いました。まだ届いてませんが、今から楽しみ。

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