クロノス・ジョウンターの伝説 の話

奥さんと話していて「クロノス・ジョウンターの伝説」をオススメしたので、このブログでもその話を。


以前に紹介したエマノンシリーズの作者 梶尾真治のタイムトラベルをテーマにした短編集で、クロノス・ジョウンターというのは作中に登場するタイムマシンの1つ。タイムトラベルものと言えばもはや1つのジャンルと言っても差し支えない程の数・量があると思いますが、数多くの作品に埋もれないユニークな点が本作にはあります。「過去に跳ぶことは出来るけど、制限時間付きで、跳んだ時間以上に未来へと弾き飛ばされてしまう」というアイディアです。

例えば、貴方が5年前にタイムトラベルしたとします。過去に滞在できるのは5分程度です。そして帰ってくるのは2018年の現在ではなく、2030年ごろになります。それでも貴方は時間旅行に挑戦するでしょうか?

デメリットを理解した上でなおタイムトラベルを決行する登場人物たちは、愛する人を救うため、あの人にもう一度だけ会うため、クロノス・ジョウンターに乗り込みます。タイムトラベルものとしてはありきたりな理由がアイディア1つで物凄くドラマチックになりますし、これを書く梶尾先生がまた上手い。ジャンルとしては軽めのSFなのですが、物語としてはほとんどがラブストーリー。普通の恋愛とは比較にならないほど大きな障壁を乗り越えていく彼らを自然と応援してしまい、ハッピーエンドを願わずにはいられません。

妻と話したことを機に読み返し(それもだいぶ前ですけど)、この作品が一層好きになりました。自分が同じ状況に置かれたとき、タイムトラベルに挑むことが出来るかということを考えながら、是非。オススメです。



追記
作中の一編について、声優の下野さん主演で映画化が発表されていました。個人的には連作で読んだ方が面白いと思うんですけどね。

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