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2019年総決算

色々忙しくて書く時間をさけなかったので、とりあえず2019年に消費したコンテンツのまとめです。 本 蜜蜂と遠雷 木曜組曲 坊ちゃん アルジャーノンに花束を 羊と鋼の森 天地明察 黄泉がえり 黄泉びと知らず マンガ スピカ 羽海野チカ短編集 乙嫁語り 服を着るならこんな風に 邦画プレゼン女子 邦キチの映子さん ヴィンランドサガ 東京トイボックス 邪眼は月輪に飛ぶ 告白〜コンフェッション〜 エマ アイとアイザワ ヨコハマ買い出し紀行 SPY×FAMILY ゲーム RDR2 アンダーテール ホライゾン ゼロドーン ドラえもんのび太の牧場物語 デトロイト ビカム ヒューマン 逆転裁判 逆転裁判2 ファイアーエムブレム 風花雪月 DEATH STRANDING ポケットモンスター シールド 映画 アリータ:バトルエンジェル 世界に一つのプレイブック(2013) パシフィック・リム: アップライジング(2018) タイピスト!(2012) ファイト・クラブ(1999) サカサマのパテマ(2013) 劇場版名探偵コナン 紺青の拳 名探偵ピカチュウ HANNA(2011) ランゴ(2011) 海獣の子供 アラジン トイ・ストーリー4 パディントン(2014) ライオン・キング シェフ 三つ星フードトラック始めました(2014) コラテラル(2004) アイアンマン(2008) インクレディブル・ハルク(2008) アイアンマン2(2010) マイティ・ソー(2011) キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011) アベンジャーズ(2013) アイアンマン3(2013) マイティ・ソー/ダーク・ワールド(2013) キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014) ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014) アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015) アントマン(2015) シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016) グッドモーニングショー(2016) エクスペンダブルズ(2010) エクスペンダブルズ2(2012) エクスペンダブルズ3(2014) アナと雪の女王2 僕のヒーローアカデミア ヒーローズ ライジング

ライオン・キング(2019)の話【ネタバレ?】

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実写版(?)ライオンキング、トイ・ストーリー4に比べてそれほど話題になっていないような気がします。ダンボ、アラジンの実写リメイクも今年やっていますし、流石に食傷気味でしょうか……私は全然苦になりませんけど(笑)。と言いますか、私の中でトイ・ストーリー シリーズに並ぶ大好きな作品なので、実写リメイクもめちゃくちゃ楽しみにしていました。 まず言及しなければいけないのが、実写版とまで銘打つ映像表現について。その名に恥じぬ素晴らしい映像は、冒頭のワンカット以外全てCGという前情報は持っていたとしても、実際のサバンナで動物と撮影したに違いないと思ってしまうほど。また、リアルな映像の中で違和感が出ないように演出・再構成されたミュージカルシーンもお見事。CG技術の成熟がこの映画を作らせたと言っても過言ではなく、それだけでこの作品を作る/観る意味があったと思います。 ですが、私の期待はちょっと別のところにありました。 冒頭でも書いた通り、ここ数年はディズニークラシックの実写化が盛んです。リメイクにあたって近代的な思想を取り入れたアップデートが行われている作品も多く、私個人としてはライオン・キングにもそういった何かを期待していました。 アニメ版から25年経った2019年の今、リメイクする意味をどこに置くのか という点です。 いざ蓋を開けてみれば、ストーリーに大きな改変は無かったように見えました。多くのメディアでもそのような報道がなされており、見たい人の感想も「大好きな作品がそのまま実写になっていて良かった」という"賛"の声と、「これならアニメを見ればよいのでは?」という"否"の声が半々といったところ。私としても、観た直後は両方の意見に頷くばかり。1週間ほど考えてようやく納得できる解釈が出来たのでブログにしている、というところです。 ここからはネタバレを含みます。 正直なところ、アニメ版は吹き替えで何度も見ていますが最後に見たのはだいぶ前。今回の実写版は字幕で1度しか見ていないこともあってうろ覚え。その上での考察になるので、話半分で、お手柔らかにお願いします(笑)。 小さな変更、大きなアップデート アニメ版でも実写版でも、父親の幻に導かれたシンバが自分の役割を認識し、故郷を救うために走り出すというプロットは...

(私と)トイ・ストーリー4の話【ネタバレ】

"トイ・ストーリー シリーズはおもちゃと子供を通して、 クリエイターと観客、作品と観客の関係性を描いた作品である" 何時、何処で聞いたのか忘れてしまいましたが、私の心に響き、今なお鳴り続けている言葉です。これを基本としてシリーズ全体を振り返りつつ、トイ・ストーリー4をどう観たか、まとめていおきたいと思います。ひたすらに長く、関係性に全振りした感想ですので、キャラクター一人一人の機微など作品の細かい部分は全く拾えておりません。もどかしい思いをされるかもしれませんが最後までお付き合いいただければ幸いです。 トイ・ストーリー/手段と目的 1995年に公開されたシリーズ1作目。ディズニーがリトル・マーメイド(1989)、美女と野獣(1991)、アラジン(1992)、ライオンキング(1994)、ポカホンタス(1995)と大ヒットを連発した、いわゆる「ディズニー・ルネサンス」の真っ只中に製作された本作は、初のフルCG長編アニメーションとして発表されました。 古いカーボーイ人形のウッディが、新参者の宇宙ヒーロー バス・ライトイヤーに"お気に入り"の座を奪われて対立し……という筋書きは、2000年代に凋落したディズニーの状況とも相まって、手書きアニメーションとCGアニメーションの関係を思わせます。しかし、物語は中盤、家の中から外へ飛び出したおもちゃ達は危機に直面し、紆余曲折を経て持ち主 アンディの元へ戻るために協力するわけですね。ここでの協力関係はまさにピクサーの立ち上げに尽力した二人、手書き畑のジョン・ラセターとCG畑のエドウィン・キャットマルのよう。 では、おもちゃ=クリエイターだとしたら、持ち主であるアンディは誰なのか。 それはやはり私達観客でしょう。観客から愛されることこそ作品とクリエイターの目的かつ幸福である、ということは容易に想像できると思います。かくしてアンディへの元へと戻ることが出来た彼らは、仲間たちと共に愛され続けるおもちゃになりました。それと同時に観客の"お気に入り"の作品となったのです。 トイ・ストーリー2/行く末 4年後の1999年に公開されたシリーズ2作目。 トイ・ストーリー2では、実はウッディは歴史的に価値のあるおもちゃで...

熱帯の話

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森見登美彦氏の新作、「熱帯」を読みました。森見先生の小説の中でもかなり捻った作品で、かつ森見先生の私生活にがっつり食い込んだお話なのでファン以外にどう映るのか不安でしたが、無事本屋大賞にノミネートされていましたね。 誰も最後まで読んだことが無いという1冊の小説 、の小説。それを聞けば「ハァ、不思議な本のお話なのね」と誰もが思います。しかし、これがなかなかトンデモナイ小説でした。 冒頭は森見登美彦氏の書くエッセイのテイで始まります。学生時代に古書店で見つけた一冊の本、謎めいた文章に心惹かれて大事に読んできたその本が、ある朝目を覚ますと枕元から消えてしまっていたそうです。新しく買いなおそうにもその「熱帯」という小説は、著者以外の一切が不明で、16年たった今も探し続けているのだといいます。そんな折、友人に何らかの謎を抱えた本を持ち寄って語り合うという、沈黙読書会なるものに誘われます。そこで出会った女性が大事そうに抱えていたその本は、彼が追い求めてきた「熱帯」その本だったのです。女性は「熱帯」にまつわる自身の体験を語り始め…… 「あぁこの"熱帯"は、この手元にある"熱帯"なのか」 ここで読者は気付くワケですね。 誰も最後まで読んだことが無い小説が、自分の目の前に開かれているということを。 読者も一緒になって小説の謎を追っていく―――かと思いきや、物語は中盤で急転直下、思いもよらぬ方向へ進みます。そこからは筆者の想像力の赴くままに話が進み、その中で小説を読むということ、小説を書くということ、小説とは、小説家とは……といった話を書きながら、ジャングルの中へ分け入っていくような底の見えない話が続くようになります。 ネットの感想を読んでいくと、前半と後半の雰囲気があまりに違うことで戸惑ってしまって、そこで振り落とされてしまった人が多いみたいですね。前半を書き終えたところでスランプに陥ってしまい本書の刊行にあたってその大風呂敷をようやく畳めたという経緯を私は知っていたため、森見先生らしい前半の勢いのある展開も楽しいのですが、筆者の苦悩がありありと見える後半こそが本書の見どころのように感じました。 そしてなんと言っても最後の仕掛けですよね。 私は果たして本当に熱帯を読み終えたのでしょうか。それともまだ熱帯...

スパイダーマン:スパイダーバースの話

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現在公開されている映画 スパイダーマン:スパイダーバースがめちゃくちゃ良かったというお話。 マーベルコミックスの多次元宇宙設定(一般に言うパラレルワールド)を活かして、作品の枠を超えて多くのスパイダーマンが集結して巨悪に立ち向かうコミック スパイダーバースシリーズを下地にした長編アニメ。アカデミー賞長編アニメーション部門を始め多くの映画賞を総ナメ、早くも今年ベストに推す声も多く今ノリに乗っている映画ですね。 主人公はブルックリンに住む黒人の高校生 マイルズ・モラレス。コミック アルティメット・スパイダーマン シリーズの2代目主人公という位置づけで、映画は彼が先代スパイダーマンの遺志を受け継ぎヒーローになるまでを描いています。悩みや葛藤を抱く従来のスパイダーマンを踏襲しながらも、他次元の先輩スパイダーマン達の元で薫陶を受けるという展開がポップで楽しく、今までに無い全く新しいスパイダーマン映画になっています。 まずはコミック表現を映像に落とし込んだことで話題になっている演出的な面。漫画の記号的な表現を取り入れたことをはじめ、各キャラクターごとに作画のタッチが違っていたり、全編で印刷のドットや版ズレやが再現されているなどかなり手間が掛かっていることが分かります。「コミックの質感を映画で表現するんだ」という情熱が伝わるようなクオリティで絶賛されるのも納得のデキ。 加えてアクションの作りがとても気持ち良く、もともとスパイダーマンは派手で見栄えのするアクションシーンを作り易そうではありますが、コミック/アニメ特有の色彩感がカッコ良さに拍車を掛けます。特に最後のサイケデリックなバトルシーンはアニメ映画でしか成しえない表現でサイコーにクールなので必見です。 ストーリー的なトコロでは、6人のスパイダーマン全員が活躍しながらも破綻の無い脚本を構成したバランス感覚がお見事。「1人のスパイダーマンの誕生譚・成長譚」と「沢山のスパイダーマンが登場するお祭り映画」がちゃんと両立されています。6人もの個性的なスパイダーマン達がおしゃべりするだけでも十分面白いのですが、単にクロスオーバー作品として引っ張ってきた以上の意味を持っているということです。それは主人公 モラレスの成長面のこともありますが、映画全体で発するメッセージにもノッてくるというのがアツいです...

RDR2プレイヤーに贈るTDLの見どころ

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年明けからレッド・デッド・リデンプションⅡ(以下RDR2)をプレイしています。西部開拓時代が終わりつつあるアメリカを舞台にしたオープンワールドアクションアドベンチャーで、開発はグランド・セフト・オート シリーズでおなじみのロックスター。ゲーム性を犠牲にしてまで作り込んだ西部劇世界には賛否両論がありますが、その完成度は誰もが認める所であり2010年代を代表する歴史に残るゲームになりそうです。 さて、そんな作り込まれた西部開拓時代のアメリカ、日本でも現実に体験できる場所があるんです。東京ディズニーランドのウエスタンランドとアドベンチャーランドというエリア、正にRDR2で描かれた18世紀後半~19世紀初頭のアメリカをモチーフにしているので、ゲームをプレイした人なら見覚えのあるものがたくさんあるハズ! アーサー・モーガンになり切ってアメリカ西部を駆け抜けた貴方、是非東京ディズニーランドでその続きを体験してほしい。そんな気持ちで今回は"RDR2プレイヤーに贈るTDLの見どころ"について書いていきたいと思います。 ワールドバザール ディズニーランドで一番最初に訪れるワールドバザール。ここはまだ西部アメリカと言うわけではありませんが時代は同じく19世紀初頭、BGMに耳を傾けると聞こえてくるのは楽し気なラグタイム。ラグタイムは1890年代後半から流行した音楽ジャンルで、RDR2では各地の酒場で聞くことが出来ますね。運が良ければバイシクルピアノで実際に演奏するパフォーマーに出会えることもあります。 ウエスタンランド 日本以外のディズニーランドではフロンティア(開拓前線)ランドと呼ばれている、正に開拓時代の西部アメリカをテーマにしたエリア。時代的にはRDR2よりも前になりますが、バレンタインやストロベリーの街並みをそのまま持ってきたような景観です。入れない建物にも良く見ると設定があり、町役場や酒場、ホテル、新聞社、毛皮や罠を扱う罠師のような商店まであったりします。また、建物のそこかしこには馬車の車輪や蹄鉄がぶら下げられていて、こういった装飾へのこだわりを見て回るのもお楽しみポイント。そういえば銀行は無い気がします……銀行強盗は出来ませんね。 スモークターキーレッグ のっけから食べ物の話ですみません。でも昔...

シュガーラッシュ:オンラインの話(ディズニープリンセスの話)

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個人的に傑作だと思っているシュガーラッシュの続編を見てきました。原題はRalph breaks the Internet、今度はインターネットで大暴れだそうで。 内容については……やはり続編は難しい(笑)。 大きくて強い男の人に幸せにしてもらったと思われてる? それよりも、予告にも出ていたヴァネロペとプリンセス達が絡むシーン。ここ数年のディズニープリンセス事情を踏まえないと解釈が大きく違ってしまって良く分からないことになりかねません。というか既になっているようで。Twitterで言及している人もいるし、知恵袋でも幾つか質問されているを見かけました。 ちょっとその辺り、自分用の覚書用途を含めて書いておこうと思います。 予告と本編の違いを書くので、微塵のネタバレも許せないという人は読まない方が良いです。 ディズニープリンセスについてのおさらいと変遷 ここ数年、ディズニープリンセスは大きな転換期にあります。"プリンセス"という概念が変わってきていると言っても良いでしょう。過去にディズニーが作り上げたイメージを自ら変えようとしている、と言うのが話を複雑にしているところですが。 今回の映画に登場したプリンセスをおさらいすると以下の通り。 白雪姫(白雪姫/1937) シンデレラ(シンデレラ/1950) オーロラ姫(眠れる森の美女/1959) アリエル(リトル・マーメイド/1989) ベル(美女と野獣/1991) ジャスミン(アラジン/1992) ポカホンタス(ポカホンタス/1995) ムーラン(ムーラン/1998) ティアナ(プリンセスと魔法のキス/2009) ラプンツェル(塔の上のラプンツェル/2010) メリダ(メリダと恐ろしの森/2012) アナ(アナと雪の女王/2013) エルサ(アナと雪の女王/2013) モアナ(モアナと伝説の海/2016) 総勢14名。プリンセス像の変遷を語るにあたって良く見られるのは、3つの時代に区分する形です。 まずはプリンセス像の原点とも言える白雪姫、シンデレラ、オーロラ姫。彼女たちは基本的に王子様に幸せにしてもらうタイプのキャラクター。特に何をしたわけでもないのに気が付けば王子様と結婚し、「何時までも幸せに暮らしました」というお決まりのパターンへ。シンデレラス...