投稿

5月, 2018の投稿を表示しています

すべてがFになるの話

イメージ
レイジングループのプレイ時間が60時間を超えました。これでようやくエクストラコンテンツも半分ほど消化したことになるのでしょうか。1週目に見たところもざっと流し読みしているので、スキップで短くなった分と追加で増えている分がトントンになっているような気がします。正直ノベルゲームなんて10~15時間ぐらいだろうと思っていたので、5倍近くかかっていることになります。どう考えても時間かけすぎです。まぁ無駄に過ごしているというわけでは無いので、良いんですケド。 そんなゲームの合間を縫って、もはや古典に片足を突っ込んでいるであろう森博嗣のデビュー作、1996年のミステリー小説「すべてがFになる」を読んでおりました。ノベルゲームの合間に小説を読むという文章漬けの日々、これがリア充か。これも確かKindleセールで100円とかで買って、1年ほど寝かせていた本になります。デジタル積読ってやつですね。また何をいまさらという感想になるかもしれませんが、書かせてください。 孤島の研究所で起きた密室殺人事件を取り扱うというミステリーもの。読んでから知りましたが、2人の主人公たちが活躍するシリーズ物の1作目、今までに計10冊刊行されているらしいですね。Amazonの商品説明にはもっと詳細なあらすじが書いてありますが、何も知らないで読んだほうが楽しいかと思います。 驚くのは1996年に登場した小説であるにもかかわらず、小説に登場するテクノロジーやガジェット、それに付属する概念が今でも普通に通用するという点です。私としては、この手の話をするときに1989年の漫画作品 攻殻機動隊や、それが影響を受けたニューロマンサー辺りのSF小説群の先見性を避けては通れないかと思っていますが、それらはあくまでSF作品。理系ミステリーの元祖とも呼ばれる本作ですが、ミステリーという分野で現代に通ずる技術レベルを織り込むというのは確かに衝撃的だったのだろうと思います。反面、当時の読者が正しく理解できたのか、ちょっと疑問です。プログラム用語からロボット、AI、VRまで登場し、それらが現実となった今現在でも疎い人には若干難しい内容かもしれません。 テクノロジーへの先見性には驚きつつも、さて、一冊の小説として面白かったのかと考えると……ちょっと評価が難しいというのが本音です。密室殺人のトリックや伏線とタイト...

レイジングループの話

イメージ
GW後半からレイジングループというアドベンチャーゲームをやっていました。もともとがスマホゲーという生い立ちと、3,000円という低価格から最初は全然期待してなかったというのが正直なところ。それが妻と2人であーでもないこーでもないと言いながら読み進めるうちにどっぷりハマり込んでしまい、寝る時間を惜しんで、食事中も読み進めるほど熱中してしまいました。というか、現在進行形でクリア後のエキストラコンテンツにハマっております。家事と翌日の仕事を放り投げたい衝動を抑える毎日です。 レイジングループは「汝は人狼なりや?」という、いわゆる"人狼ゲーム"を題材にしたアドベンチャーゲーム。今ではノベルゲームという方が一般的でしょうか? 人狼ゲームについては一時期TV番組になるほど流行っていたので知っている人も多いかもしれません。ざっくり言えば、村人と人狼とに割り振られた参加者同士で会話をしながらお互いの身分を推理し、相手陣営を皆殺しにした方が勝利するというテーブルゲームですね。詳しい説明をしようと思うとなかなか複雑な上、様々なローカルルールがあるようなので Wikipedia を参照してください。タイトル的にはRaging(荒れ狂う)+Loup(仏語で狼)といった感じ。 そしてこのゲームはいわゆるループものです。主人公は人狼ゲームを現実として行う猟奇的な村に迷い込んでしまい、殺されるたびに村に迷い込む場面に巻き戻ってしまうという、なんとも奇妙な現象に巻き込まれてしまいます。これは後述しますが、この設定がゲームのシステム的にもシナリオ的にも重要な、要になっていて素晴らしかったです。Raising(蘇る)+Loop(環)でダブルミーニングですね。 さて、このゲームの良さはなんと言っても舞台設定とシナリオにあります。人狼ゲームを古くからの因習として殺し合いをしてきた村、という前提条件からしてかなり苦しい設定ですが、伝承やしきたり、土着信仰、宗教、オカルトまで交えて違和感なく仕上がっているのが素晴らしい。そして、シナリオの良さはプレイ前から噂に聞いてはいましたが、完全にこちらの予想を超えてくるのがとっても楽しい。思わず声が出てしまうようなシーンが何か所もアリ、そう来たかと唸ってしまう展開もしばしば。とにかく伏線の配置・回収が素晴らしいので、これは読んでみてと...

レディ・プレイヤー1の話

イメージ
オタクの、オタクによる、オタクのための映画―――と評されるレディ・プレイヤー1を見てきました。 スティーブン・スピルバーグ監督最新作である本作は、ネット上のVRゲーム空間"オアシス"に隠されたイースターエッグ=製作者のお遊び要素をめぐって繰り広げられるアクションアドベンチャー。隠された3つのゲームを制覇したプレイヤーには56兆円の遺産とオアシスの運営権を与える―――制作者が死に際に放った一言は、人々をVR空間の海へと駆り立てた。世はまさに、的な。いざ、私たちもスクリーンを超えてゲームの世界へ。 READY ▶ PRAYER 1   PRAYER 2 まず、今回3Dで見てきたんですが、これがメチャクチャ良かったです。映画の大半がVR空間=CGであるオアシスで展開するということもあり、3Dとの相性は抜群!特に映画冒頭のオアシスへの接続シーンで本当にスクリーンという障壁を超えてゲームに入っていくような没入感が最高!監督がYouTubeの特別映像で明かしている通り、没入感を高めるべく現実世界とVR空間の3D設計が異なる作りになっていて、久しぶりに3Dで見た価値があったと確信できる作品でした。 この映画を語る上で外せないのは、やっぱり版権の部分でしょうか。映画、音楽、ゲーム。かつてこの世の全てのオタクコンテンツを手に入れた版権王―――というわけではありませんが、巨匠スティーブン・スピルバーグの力なくしては実現不可能だったと確信できるほど様々なコンテンツへのパロディやオマージュが散りばめられているのは、予告や広告でも散々喧伝されているところです。アベンジャーズのようにマーベル・ヒーローたちが共闘するだけでもドリーム・チームと言われる映画ビジネスの世界で、(予告や公式サイトで既出の情報なので書いちゃいますけど)登場人物がデロリアンやAKIRAの金田バイクを乗り回し、ストリートファイターやオーバーウォッチのキャラクター達が闊歩し、キングコングやティラノサウルスが暴れまわり、メカゴジラとガンダムが並び立つ、そんなハリウッドムービー!監督はスピルバーグ!……いやいや嘘でしょ、と数年前の私なら間違いなく斬って捨てるような話ですが、実現してしまったのが今作。オタクための映画と言われる所以の一つでもあります。 ...

シティーズ:スカイライン PlayStation®4 Editionの話

イメージ
先日PS4で発売された都市開発シミュレーションゲーム、シティーズ:スカイラインを遊んでいます。 2013年発売のシムシティが他都市との接続をウリにしたサーバー接続必須という設計でバッシングを受けた少し後、彗星のごとく現れたシムシティシリーズの正統後継者との呼び声高い都市開発シミュ、の家庭用ゲーム機版。話が脱線しますが、2013年のシムシティは私もちょっと触ってみたことがあります。グラフィックやUIの進化っぷり、音楽の変わらない安定感には感心したものの、街を作ることの出来る範囲の狭さにしょんぼりした記憶。小さい街を複数作って接続して遊んでほしいという設計……というのは理解出来てもやっぱり作りたくなっちゃいますよね、大都市。結局過去シリーズのような大都市を作らせろ!というプレイヤーの声は絶えることなく、開発元のマクシスはあえなく閉鎖と相成りました。 そこで交通シミュレーションゲームを作っていたフィンランドのゲームスタジオが、俺たちが理想の都市開発シミュを作っちゃるで!と(言ったかどうかは分かりませんが)制作したのが本作になります。 正直な話、都市開発シミュレーションとしての基本の部分はほぼシムシティと言っても過言ではないぐらいに同じです。シリーズ経験者ならお分かりかと思いますが、最初に道路を引き区画を設定し、発電所を立てて水道を整備、需要メーターを見ながら道路や区画を拡張し、町が大きくなってきたら消防や警察、病院、小学校といった公共サービスを充実させていきます。……全く同じですよね。建物が出来る際に足場が組まれ、にょきにょきと生えてくるあの表現までコピーされている徹底ぶりです。 どうも交通網のシミュレーションに差があるようですが、シリーズを追いかけているプレイヤーというワケでもないので細かい部分は良く分からず……私は今のところ似たような感覚で遊んでいます。PCからPS4の移植ですが、操作系はうまいこと作られていると思います。 このゲーム、人口が増えてくると街のいたるところで渋滞が発生します。通勤や工場への原料搬入、商店への商品出荷や買い物客などが原因です。渋滞で車の流れがストップするということになれば、商店や工場は職員が出勤してこないので潰れ、工場は原料が来ないので商品が作れず潰れ、商店は商品も買い物客も来なくなるので潰れる...