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シュガーラッシュ:オンラインの話(ディズニープリンセスの話)

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個人的に傑作だと思っているシュガーラッシュの続編を見てきました。原題はRalph breaks the Internet、今度はインターネットで大暴れだそうで。 内容については……やはり続編は難しい(笑)。 大きくて強い男の人に幸せにしてもらったと思われてる? それよりも、予告にも出ていたヴァネロペとプリンセス達が絡むシーン。ここ数年のディズニープリンセス事情を踏まえないと解釈が大きく違ってしまって良く分からないことになりかねません。というか既になっているようで。Twitterで言及している人もいるし、知恵袋でも幾つか質問されているを見かけました。 ちょっとその辺り、自分用の覚書用途を含めて書いておこうと思います。 予告と本編の違いを書くので、微塵のネタバレも許せないという人は読まない方が良いです。 ディズニープリンセスについてのおさらいと変遷 ここ数年、ディズニープリンセスは大きな転換期にあります。"プリンセス"という概念が変わってきていると言っても良いでしょう。過去にディズニーが作り上げたイメージを自ら変えようとしている、と言うのが話を複雑にしているところですが。 今回の映画に登場したプリンセスをおさらいすると以下の通り。 白雪姫(白雪姫/1937) シンデレラ(シンデレラ/1950) オーロラ姫(眠れる森の美女/1959) アリエル(リトル・マーメイド/1989) ベル(美女と野獣/1991) ジャスミン(アラジン/1992) ポカホンタス(ポカホンタス/1995) ムーラン(ムーラン/1998) ティアナ(プリンセスと魔法のキス/2009) ラプンツェル(塔の上のラプンツェル/2010) メリダ(メリダと恐ろしの森/2012) アナ(アナと雪の女王/2013) エルサ(アナと雪の女王/2013) モアナ(モアナと伝説の海/2016) 総勢14名。プリンセス像の変遷を語るにあたって良く見られるのは、3つの時代に区分する形です。 まずはプリンセス像の原点とも言える白雪姫、シンデレラ、オーロラ姫。彼女たちは基本的に王子様に幸せにしてもらうタイプのキャラクター。特に何をしたわけでもないのに気が付けば王子様と結婚し、「何時までも幸せに暮らしました」というお決まりのパターンへ。シンデレラス...

クロノス・ジョウンターの伝説 の話

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奥さんと話していて「クロノス・ジョウンターの伝説」をオススメしたので、このブログでもその話を。 以前に紹介したエマノンシリーズの作者 梶尾真治のタイムトラベルをテーマにした短編集で、クロノス・ジョウンターというのは作中に登場するタイムマシンの1つ。タイムトラベルものと言えばもはや1つのジャンルと言っても差し支えない程の数・量があると思いますが、数多くの作品に埋もれないユニークな点が本作にはあります。 「過去に跳ぶことは出来るけど、制限時間付きで、跳んだ時間以上に未来へと弾き飛ばされてしまう」 というアイディアです。 例えば、貴方が5年前にタイムトラベルしたとします。過去に滞在できるのは5分程度です。そして帰ってくるのは2018年の現在ではなく、2030年ごろになります。それでも貴方は時間旅行に挑戦するでしょうか? デメリットを理解した上でなおタイムトラベルを決行する登場人物たちは、愛する人を救うため、あの人にもう一度だけ会うため、クロノス・ジョウンターに乗り込みます。タイムトラベルものとしてはありきたりな理由がアイディア1つで物凄くドラマチックになりますし、これを書く梶尾先生がまた上手い。ジャンルとしては軽めのSFなのですが、物語としてはほとんどがラブストーリー。普通の恋愛とは比較にならないほど大きな障壁を乗り越えていく彼らを自然と応援してしまい、ハッピーエンドを願わずにはいられません。 妻と話したことを機に読み返し(それもだいぶ前ですけど)、この作品が一層好きになりました。自分が同じ状況に置かれたとき、タイムトラベルに挑むことが出来るかということを考えながら、是非。オススメです。 クロノス・ジョウンターの伝説 (徳間文庫) posted with ヨメレバ 梶尾 真治 徳間書店 2015-02-06 開発途中の物質過去射出機“クロノス・ジョウンター”には重大な欠陥があった。出発した日時に戻れず、未来へ弾き跳ばされてしまうのだ。それを知りつつも、人々は様々な想い―事故で死んだ大好きな女性を救いたい、憎んでいた亡き母の真実の姿を知りたい、難病で亡くなった初恋の人を助けたい―を抱え、乗り込んでいく。 Amazon Kindle 追記 作中の一編について、声優の下野さん主演で映画化が...