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6月, 2018の投稿を表示しています

ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム の話

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ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム をプレイしました。思ったより短く、サクッとクリアできたので、サクッと感想を書きたいと思います。前作 ライフ イズ ストレンジ はプレイ済みです。 音楽とか演出がいちいちエモいのは前作と一緒 正直なところ、一本のゲームとしてみるとかなり厳しいと言わざるを得ません。フルプライスの割にはボリュームが少ない上(ローカライズは前作同様非常に丁寧なので価格相応と言えなくもないですが)、プレイヤーが介入できるポイントも少ない。そして、前作の主人公と違って時間を巻き戻すことは出来ず、代わりに与えられたのが口先で相手を言い負かす「バックトーク」というシステム。プレイヤーとして主人公のロールプレイをするのは確かに楽しいのですが、前作のシステムほど選択肢に深みが生まれずイマイチ……現実的ではありますが。前作の前日譚という都合上ストーリーの行き着くところが決まっている、というのもシステム的に枷になっていたように思います。選択肢による変化が分かりづらい上、若干不自然にメインのストーリーに引き戻される感もあります。ただ、前作もその辺は同じなのですが……描き方が上手かったのでしょうか? ズラズラと不満を並べましたが、前作のキャラ クロエを深掘りするゲームとしては結構良かったと思います。父親の死や親友の引っ越し、馴染めない高校生活と新しい友達、その辺とどう向き合っていたのかが丁寧に描かれていて、ファンディスクとしては申し分のない出来でしょう。個人的にはレイチェルとの関係が深まってクロエの中で大切なものになっていくシークエンス、そしてクロエと前作主人公のマックスの子供時代の話がなかなか良かったです。……それでもCGアニメとかで十分じゃないかという気はします。 ネット上で不満点として挙げられている、×決定/○キャンセルの海外仕様や、字幕が中途半端な位置で改行されるという点は、ワケあっての仕様と明言されているのでそこまで問題とは思いません。それよりもカメラの操作感の方がヤバいと思います。一応オプションで感度調整は出来ますが、前作では問題なかったのにどうしてこうなったという感が否めません。まぁ流石に数時間もすれば慣れますし、前作と開発元が違うというのは知っているんですけどネ。 今回、前作と抱き合わせで割引をしていたのでついついセットの...

うちのクラスの女子がヤバい、の話

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なんともミスリードなタイトルな気がしますけど、三十路のおじさんがトチ狂って言い出したわけではなく、そういうタイトルのマンガの話です。これがなかなか面白かったので、ご紹介したい。 何故か民衆を導く自由の女神のパロディとなっている書影 「クラスの男子(女子)がヤバい」なんていう話は、いつでも、どこの学校でも、どのクラスでも必ずありますよね。何をもってヤバいとするかは問題ではなく、他のクラスの友達に話を振って「ヤバくない?」「ヤバいヤバい!」と共感を得るための枕詞。バカすぎ、うるさすぎ、アホすぎ、エロすぎ、エトセトラ。大抵そういった他愛のない話ですが、その言葉をタイトルに引っ張るこのマンガに登場する1年1組の女子達は、確かにヤバい。 なんと、全員が超能力者なのです。 ただ、その超能力がとっても微妙なものばかりで。 思春期性女子突発型多様可塑的無用念力、略して"無用力"。思春期の女の子に突然発生し、そのうち消えてしまう役に立たない超能力、といったところでしょうか。心拍数が上がると物が強制的に透けて見えてしまう(内臓まで 笑)とか、テンパると大音量のモスキート音を発してしまうとか。そういったヘンテコで残念な超能力が身に備わってしまった女子達を集めたクラス、というワケですね。なので男子は普通です。 超能力を持った人たちが集められたクラスというと、マンガでは割とありがちな設定ですよね。それでバトルが始まったりするわけですが、当然ただただ役に立たない超能力、いや"無用力"を持った彼女たちですのでそんな展開にはなりません。普通に学校生活を送り、普通に青春します、それだけです。そう、このマンガは残念な超能力女子が集められたクラスを舞台にしたラブコメマンガなのです。 なんで思春期の女子だけがそういった残念超能力を持つか、というところには特に言及が無く、そういうものだからという感じです。そういう世界なのだからしょうがないでしょう、という、好きなんですよねそういう割り切った設定とか。なんとなく市川春子や九井諒子の短編漫画っぽさを感じます。3巻完結で読みやすいのもオススメポイントです。出来ることならばもっともっとこの世界観のお話を読みたいところですが、シメも綺麗だったのでしょうがないということにしまし...

ポケモンクエストの話

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突然ですが、私は初代ポケットモンスターが発売されたころ小学生でした。つまり、ばっちり流行っていた世代です。その後のシリーズもそれなりにプレイしてはいますが、やはり初代である赤・緑・青・ピカチュウ、そしてその続編である金・銀・クリスタルに思い入れがあります。そして先日、ピカチュウバージョンをベースにした最新作が11月に登場するという情報が解禁されました!初代の舞台であるカントー地方が最新のグラフィックで表現されるということに、年甲斐もなく興奮しちゃっています。 そんな最新作の情報に沸くさなか、ひっそりと配信が始まっていた「ポケモンクエスト」がなかなか楽しいので、その話をしたいと思います。 詳細は貼り付けた紹介動画を見ていただくとして……めっちゃ可愛くないですか!? 初代のポケモンオンリーというだけでもどストライク(虫ポケモンではない)な内容なのに、"ボクセル"で表現された彼らの可愛らしいこと可愛らしいこと。公式のゲームジャンルは「わちゃわちゃ探検RPG」となっていますが、その名に違わぬわちゃわちゃっぷりが見ていて笑ってしまうほど。妻と二人で癒されています。 ちなみにボクセルとは volume と pixel を足した造語でWikipediaを見るとなかなか難しい表現が並んでいますが、要は立方体のブロックを基本として表現される空間のことですね。ゲームジャンルとしてはマインクラフト、いわゆるマイクラが代名詞的な存在です。というか、もはやマイクラ風という言葉に置き換えられてしまっていると言っても過言ではなさそう。 思いっきり話が逸れますが、私とボクセルの出会いはPS3のアクションRPG 3DドットゲームヒーローズというゲームのPVだったと思います。このゲーム、レトロゲームをモチーフとしながらもボクセルで表現されていて、倒した敵が爆発四散するのですが、PS3の演算能力をフルに使って散らばるボクセルが綺麗でアホらしくて印象的でした。次世代のゲーム機はこんな表現も出来るのかと驚いた記憶が……と思って調べましたが、PS3と3Dドットゲームヒーローズは結構発売日が離れてますね。もっともっと次世代機の表現力に驚くことのできたソフトがあったと思うのですが(笑)。 ポケモンクエスト自体は、ゲームとしてはかなり単純です。強...

グラスホッパーとマリアビートルの話

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すべてがFになるを読んだせいか頭がどうも小説モードになっているようで、伊坂幸太郎の2作を一気に読みました。例にもれずKindleセールで買って4年ほど積んでいたものになります。何故そんなに放っておいたのかと責められるかもしれませんが、私としてはむしろ4年前に買った本をちゃんと読んでいることを誉めて欲しいと思います。 まぁ結論から言えば、読みやすいケドあまり好きではない作品でした。 多数の殺し屋が登場する群像劇であり、殺し屋シリーズと呼ばれる2作品。昨年にはめでたく3作目が登場するなど、伊坂幸太郎の作品群の中でも人気のシリーズのようです。私は続編の方から読んでしまいましたが、登場人物が多少被っているというだけでストーリー的な繋がりはそれほど無い模様。 初めての伊坂作品だったので色々とレビューを漁ってみたのですが、伊坂ファンの中でも賛否の分かれる作品達のようですね。伊坂作品オススメランキングみたいな記事を読んでも上の方にいたり、下の方にいたり。ただ、低評価のレビューに散見される「リアリティに乏しい」という批判はナンセンスだと思います。作品のリアリティのラインは作家が自由に決めて良いものですし。 2作品とも複数の視点から1つの事件、シチュエーションを描くという点においては上手く構成されていて、物語後半でそれぞれが交錯する点は読んでいて確かに爽快感がありました。が、"交錯"と書いたように"収束"するわけではなく、あくまでそれぞれの結末を描いていて、しかも殺し屋という性質上その結末が"死"であることが多く、カタルシスを得にくい構造というのがイマイチかなと思います。その辺りはマリアビートルの方が意識されていたのかなとは思いますが、いかんせん……。別にハッピーエンドにこだわるわけではありませんが、物語を通して登場人物には何らかの("死"以外の)変化が欲しいところです。 加えて、キャラクター各々目的が違うため当然思い描く結末も違い、事件が至るべき結末(解決)が明示されないまま話が進んでいくというのも、最終的に示された結末をすんなりと受け入れづらい構成だったかなと思います。事件に登場人物(と読者)が振り回されてドタバタしているところで「ここが終点です」と急に幕を引かれる、そんな...